軽井沢における建築(基礎・床の断熱)
建物の床下における断熱方式について、よく使われる方法について説明いたします。
- 床断熱:
- この方式では、土台レベルに断熱材を充填します。
- 床下は基礎立ち上がりに開いた換気口によって換気され、屋外空間となります。
- 基礎については全て凍結深度を確保する必要があります。
- 基礎断熱:
- この方式では、基礎立ち上がり部分に断熱材を貼り付けます。
- 近年の建物では基礎断熱方式が主流です。
- 基礎の内側(室内)に断熱層を配置するため、床下が室内扱いとなり凍結深度まで基礎を入れずにすむため、コストを低減できます。
- 同じ建物であっても、床断熱よりも外皮面積が小さくできるため断熱性能を向上させることができます。※外皮面積の大小は試算では立ち上り900ミリまでは基礎断熱が有利
基礎断熱における注意点
- 換気計画:
- 基礎断熱を採用した場合、床下空間は密閉された室内となります。適切な換気計画が必要です。
- コンクリートは湿気を放出し続けているため、密閉した床下は湿気が滞留し建物の耐久性を損なう可能性があります。
- 当社の高気密高断熱仕様では、床下も24時間換気対象エリアとして設計し第一種換気方式による換気を行います。
- 基礎断熱材の配置:
- 基礎断熱において、断熱材は基礎の内側に貼り付けるケースと外側に貼り付けるケースがあります。
- 基礎の外側に断熱材を貼り付ける場合、押出法ポリスチレンフォーム(通称:スタイロ)を使用しますが、スタイロは蟻に食べられる性質があるため長期的な耐久性には注意が必要です。※防蟻スタイロでも10年かけた実験では食べられていたという結果もあるようです
- 基礎断熱材は基礎の内側に配置することで、耐久性を高め断熱性能の維持を図ることができます。
- 施工方法と注意点:
- 基礎断熱の場合、基礎打ち継ぎ部分から水が侵入するリスクを考慮し、適切な止水対策を施すことが重要です。
- 外周部基礎立ち上がりを一体でコンクリート打設する方法が最善です。